CASE STUDY 導入事例

導入事例

社内アドレス帳を刷新し組織間コラボレーションの基盤に

三井情報株式会社

POINT

  1. 組織・部門を超えたコミュニケーションを促進
  2. “システム運用はおまかせ”のメリットが決め手に
  3. スマホでも簡単検索、社内への浸透を図る

組織・部門を超えたコミュニケーションを促進

グループ全体で従業員数は約1,900名と、ICT企業として国内有数の規模を誇る三井情報。

1967年に三井物産の情報システム部門から独立した同社は(当時の社名は三井情報開発)、7社が合併し事業領域を広げてきた。基幹システムやネットワークインフラをはじめ、バイオサイエンスやセンシング・制御技術など多彩な領域のナレッジを持つことが強みだ。

この技術力とナレッジを駆使し、多様な業種の顧客企業のパートナーとして新たな価値を創造する。こうした「ICT×KNOWLEDGE=価値創造企業」のビジョンを掲げる三井情報では現在、共創を促すためのさまざまな取り組みを進めている。例えば、全社ワークショップもその一つ。「営業・技術・コーポレートの各部門から参加した混合チームで討議し、部門の枠を超えてコミュニケーションを図っている」と話すのは、働き方改革推進室・室長(兼 経営企画部)を務める小松敦氏だ。

こうした取り組みには社内横断的な活動を促進させる狙いがあるが、そこで重要となるのが、部門・組織の枠を越えて社員を結びつけるコミュニケーション基盤だ。「社内コミュニケーションの円滑化は、働き方改革のカギとなる要素」(小松氏)だが、三井情報はそこに1つ課題を抱えていた。

課題とは「社内アドレス帳の使い勝手が悪く、機能が不十分だった」こと。所属する組織や業務内容が異なる社員が連絡を取り合うためには、明らかに機能や使い勝手が不十分だったと小松氏は振り返る。

アドレス帳は、コンタクトしたい社員の所属を確かめ連絡先を知る、社内コミュニケーションの第一歩を担うものだ。さらに、連絡先以外にも社員の業務内容や得意分野、あるいは趣味といった人となりを示す情報も登録し、互いに検索できるようになれば、より大きな効果を発揮する。

とりわけ、様々な事業体の合併を経てきた三井情報では、組織・部門間の連携を活発化するためにそうした環境が求められていた。

"システム運用はおまかせ”のメリットが決め手に

そこで社内アドレス帳の刷新を決め、情報システム部門や経営企画部門と連携し、働き方改革推進室で新システムに必要な機能等を検討した。同推進室の菊池直樹氏によれば、「社員のニーズを基にフルスクラッチで開発する、外部プロダクトを利用する、の2つの選択肢」で検討を進めた。

従前の連絡帳では、検索機能の使いにくさ以外にも複数の課題があった。

1つは、登録情報の変更が管理者にしかできなかったため、実際の連絡先との齟齬が多く発生していたことだ。例えば顧客先等に常駐する社員は、名刺に記載されている連絡先と実際の連絡先が異なる場合が往々にしてあるが、そうした場合でも自ら変更できなかった。また、PCでの操作を前提としており、スマートフォンでの利用が想定されていなかったことも使い勝手を悪くしていた。

こうした点の改善に加えて、新たに導入する連絡帳では、既存の連絡帳になかった機能が求められた。

1つが、電話/メールシステムとの連携だ。検索結果として表示された電話番号やメールアドレスを直接クリックして電話発信やメールの起動ができるようにすることで、連絡帳の使い勝手は大きく向上する。

また、管理する連絡先の範囲についても、従前はグループ社員に限られていたが、顧客企業や協力会社なども一元的に管理できるシステムが求められた。

「こうした課題を一気に解決できる方法を探した」(小松氏)結果、Phone AppliWeb電話帳クラウドサービス「連絡とれるくん」の採用を決定した。

「連絡とれるくん」は上記の要件を満たしており、「さらに、導入後のシステムの運用を考慮して、スクラッチ開発よりもメリットが大きいと判断した」ことが採用の決め手になったと菊池氏は話す。前述したようにスクラッチ開発も選択肢の1つだったが、「その場合は、ずっと当社で運用しなければならない。一方、クラウドサービスを使えば運用はPhone Appliにお任せできる」のが第1の理由だ。

スクラッチ開発はMicrosoft SharePoint Online上での開発を検討していたが、「そうすると、運用開始後もSharePoint Onlineのバージョンアップに追従し続けなければならなくなる」(同氏)。継続的な機能アップも含めて運用をアウトソースできるクラウドサービスの利点を考慮して「連絡とれるくん」を採用した。

スマホでも簡単検索、社内への浸透を図る

情報システム部門や経営企画部等の社員でトライアルを実施し、機能や使い勝手をチェックした後、20185月にグループ全社員での運用を開始した。スタート時点ではまずPCでの利用を始め、2カ月後の7月にスマートフォンでも使用可能にした。

これにより、社員の所属・連絡先の検索がしやすくなったうえ、登録情報の修正も自ら行うことが可能になった。業務内容やスキル等も書き込むことができるため、例えば、必要な情報やスキルを持つ人を探すといった使い方も可能になる。

電話/メールシステムとの連携も実現し、表示された電話番号、メールアドレスをクリックするだけで電話発信やメール送信が行えるようになった。三井情報は電話システムにCisco Jabber、メールシステムとしてOutlookを使っており、「連絡とれるくん」はそれらとの連携機能を標準で搭載しているため、「何もしなくても、最初から連携できた」(菊池氏)。

また、「連絡とれるくん」は名刺情報管理の機能も備えており、スマートフォンで撮影した名刺情報を社員間で共有することができる。顧客やパートナー企業の情報も共有・管理することが可能だ。

三井情報では部署単位ですでに他の名刺管理ツールを用いているところもあるため、この機能の利用を強制はしていない。「それぞれのツールの特徴を活かした棲み分けを想定し、しばらくはユーザーの利用動向を見ながら、今後の運用を検討してゆく予定だ」と小松氏は話す。

さて、現時点では、まだ間がない現時点では、連絡先検索以外の機能は徐々に浸透し始めている段階だ。今後、働き方改革推進室が主導して、業務内容やスキルの書き込みを促すことで、社員をつなぐ“ハブ”としての役割を高めていこうとしている。「顔写真を登録したり、できれば趣味などの情報も書き込んでもらうことでよりコミュニケーションがしやすくなると期待している」(小松氏)。

経営企画部 広報・CSV推進室 室長の世良真理氏も、「連絡先を検索するという使い方だけでは従来の連絡帳と同じ。「連絡とれるくん」の本来の目的は、タテ・ヨコのつながりを広く深くし、活発なコミュニケーションを生み出すこと。そうした使い方を広げていきたい」と話す。組織・部門間の枠を越えたナレッジの共有によって共創を活発化させるには、「互いの業務内容や技術・ノウハウを知り、気軽に聞き合える文化が重要。「連絡とれるくん」を導入してその基盤はできたので、これからもっと活用できるように取り組んでいきたい」という。

三井情報ではフリーアドレス制の導入に続き、全社レベルでテレワーク制度も導入した。働き方の柔軟性が高まる一方、分散して業務を行う社員が円滑なコミュニケーションを行うための社内アドレス帳の重要性もより高まっている。「連絡とれるくん」は、その基盤としての役割も期待されている。

三井情報株式会社
会社名
三井情報株式会社
導入サービス
  • 連絡とれるくん
概要
従業員数約1,900名、ICT企業として国内有数の規模を誇る三井情報。社内横断的なコミュニケーションを活発に行う為、社員を円滑に結びつけるコミュニケーション基盤=「アドレス帳」の刷新を行うことにした。
これまでのアドレス帳で課題となっていた、登録情報の変更が自由にできない・スマートフォンでの利用ができない点の改善に加え、電話/メールシステムとの連携を求めた結果、「連絡とれるくん」の導入を決定した。
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